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第04-1話 保安室

작가: 百舌巌
last update 최신 업데이트: 2025-02-07 11:07:04

 保安室の事務所。

 その事務所は都内の雑居ビルに設けられていた。

 名目上は公安警察の組織だが、内閣府の国家公安委員会から直接命令を受けて動く。

 正式名称は国家保障安全室だ。

 もっとも、公安警察内部でも島流し部署と言われる事が多く、所属する人物も一癖も二癖もある者ばかりだった。

 保安室には室長の田上哲也(たのうえてつや)をトップにして全部で八名の人間がいる。

 ボンヤリとした部署名から分かる通り、元に居た組織からはじき出された人物たちが勤務している。元の組織では色々とやらかしているので扱いにくい、かと言って世間に放して好き勝手やられても困るので宛がわれているのだろう。

 ここでは、日本の安全保障に対しての脅威となる人物団体などの情報収集が主な任務の部署だ。

 よその国ではCIAを始めとする諜報機関が担うべき任務だが、何故か日本には存在していない事になっている。そこで公安警察や保安室が業務に当たっているような感じだ。

 その活動内容から目立った建物では色々と不味く。マスコミの目を避けるためにも雑居ビルが使われていた。

 事務所自体はビルのワンフロアを借り切っているので人数の割に大きい部類だ。

 片側の壁にはびっしりと大型ディスプレイが設置され、要注意人物とマークされた者の行動が表示されていた。

 その保安室の構成員である先島は古参に属する部類だ。

 先島は百ノ古巌(モモノコイワオ)の手帳を眺めていた。先日水死体で発見された人物だ。

「お前は何をしに舞い戻って来たんだ……?」

 チョウの電話番号を指先で弾いてから手帳をパタンと畳んだ。他に何か無いかと鞄の中を漁ってみたが空振りだった。

(また、武器取引でも始めているのか?)

 かつての取引に使われていた番号。その番号の移動記録を元に追跡調査を行い、あと一歩の所で取り逃がした経験を思い出していた。

(狡猾なアイツが危険を冒すとは思えないんだがな……)

 それが活性化したという事は、チョウは再び取引を行おうとしているに違いないと踏んでいた。だが、同じ番号を使い意味がわからなかった。監視対象にされているのはチョウも気が付いているはずだ。

(それとも何かの罠なのか……)

 しかし、それが何なのかさっぱり分からない。

 先島は室長にチョウの調査を具申していた。組織に属している以上は好き勝手は出来ない。

「まず、チョウと同
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